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道具と技

道具と技

今日は、薪作業はお休み。非常に久しぶりに、雑誌の紹介です。

雑誌 林業現場人「道具と技」Vol.1(2009年)を入手しました(Vol.9まで出ているようです)。

林業従事者向けの雑誌だそうで、今回は、チェーンソー特集だそうです。

オススメできるかどうかは、人に寄りますが、私には、目から鱗が何枚も落ちました。

その一つを紹介します。



チェーンソー情報というのは、意外と難しくて、例えば、目立ての基本は、そんなに複雑なことではないのですが、それを実現する方法が、どうもはっきりしないので、結局、肝心なところが曖昧だったりします。

例えば、この雑誌でも、目立ては、上刃目立て角度(刃を上から見て、進行方向に対して垂直を基準として、左右に流れている角度で、値が大きければ尖っています 30-35°)と、横刃目立て角度(チェーンを横から見て、デプスゲージの頭の水平を基準として、横刃の最高部の角度で、値が大きければ横刃が立っています 80-85°)と、上刃切削角度(コマのガイドバーよりの水平を基準として、上刃の角度で、値が小さければ刃が薄くなります 55-60°)が重要だといっています。

この数値が本当かどうかは分かりませんし、どのソーチェーンにも当てはまるのかも分かりませんが、今まで目にした中で、最も分かりやすい「目立ての角度」の説明でした(メーカーの情報ですかねぇ?)。

しかし、これを実現する方法として、まずは、目立てのフォーム(立ち方、ヤスリの持ち方、力の入れ方)を作り上げましょうと言っているのですが、そこで、終わりです(目立てをしているおっさん全体像の色んな角度の写真が4枚)。

えっ、それで、実現するの?何が正しいかよく分からないのに、フォームを作り上げるって???

自分が正しいフォームかどうかを、どうやって判断するの?



自分でも経験あるのですが、あるやり方をしたら、よく切れるようになったので、そのやり方が正しいと思い込んでしまう(コツを掴んだ!!)。
しかし、別のやり方をしたら、もっとよく切れるようになったので、コツを掴んでいなかったと分かる。
しかし、久しぶりに前のやり方をしたら、よく切れるようになったので、迷走する。

結局、大切なことをちゃんと理解しないで試行錯誤しても、何が上手く行った原因なのかを判断ミスすることになり、迷走しちゃうのでしょうね。


だから、目立ては、困っている人が多いし、怪しげなコツもいっぱいあるし、結局、経験だという結論に終わる事が多いようです。



そこで、この雑誌には、目立て装置を開発した人の特集がありました。
(どれだけ、意図的なのか、分かりませんので、たまたまかもしれません)

この装置が素晴らしいと言うつもりはありません(使ってないですから)。
この装置を生み出すために、この人が考えたことが、まさに、目立てに悩む自分の論点を明快にしてくれました。

因みに、それは何かというと、「安定」です。

えっ、知ってた?(笑)

まぁ、それはおいといて、自分の場合、問題点は、正しい角度を見つけて、安定させたいと思っていたことで、正しくは、安定させなければ、正しい角度も何もないと言うことだったようです。

 試作品で、正しい角度なのに切れない。理由はぐらつきだった。

左右とも、全コマ、角度を合わせることが出来なければ、正しい角度を知っていても、意味がないし、知らなくても、角度を合わせることが出来れば、正しい角度を探せると言うことですね。

もちろん、正しい角度は、環境や状態によって、幅があるから、微妙に変化する物なんですね。

フォームを作り上げるってことも、安定のためと言うことなら、別に、おかしなことじゃなかったんですね。

と言うわけで、私には、とても役に立ちました(馬鹿を晒してしまったようですが・・・)。

他に、メンテナンスの基本の話も、聞いたことがなかったので、私には、十分、良い本でした。