ウバメガシは水に沈むか？2 補足(蛇足?)
(今日は、年末買出しに駆り出されたので、作業できず・・・)
取り敢えず、豆知識の更新(太字が更新部分)。
＊気乾比重：木材を乾燥させた時の重さと、同じ体積の水の重さを比べた値(1で、水と同じで、0.5で水の半分の重さ)
注：この場合、木材を乾燥させた時と言うのは、日本の屋外の平均的な平衡含水率(15%)(12%と言う数字も)まで、乾燥させたことを意味します(含水率0%ではない)。
注：気乾比重は、結局は、木材内の隙間率を反映しています。木材自体は、比重1.5で、ほぼ全部の木材に共通していて、後は、木材内の隙間が大きければ、軽い木で、小さければ重い木で、隙間が、体積の1/3になると、水と同じ重さになるということです。
＊含水率：(水分の重さ/木材を乾燥させた時の重さ)
注：通常、含水率と言うと、(水分の重さ/水分を含んだ全体の重さ)で、含水比が、（水分の重さ/木材を乾燥させた時の重さ)ですが、木材の場合、含水比を含水率と言っているようです。
注：よって、杉の皮に近い辺材などは、100%をオーバーし、300%になることもあります(通常の含水率なら、100%を超えることはあり得ない)。
＊平衡含水率：木材がある温度と湿度の環境に置かれると、最終的に一定の含水率になる、その含水率のこと
注：吸湿と排湿が同じスピードになるため、見かけ、一定になる。
注：日本の屋外の平均的な平衡含水率は、15%くらいです(12～16%と言う数値も)。
注：ただし、一定以下の含水率になると、湿気を吸いにくくなるので、人工的に乾燥させると、平衡含水率が下がることもあります(家具や、フローリング材など)。
＊湿度(相対湿度)：大気中の水分量/大気が含むことが出来る水蒸気の最大量
注：この最大量は温度により変化するから、同じ湿度でも水分量自体は温度により変化する。
注：同じ水分量なら、温度が下がれば、最大量が減るので湿度が上がる(結露とか)。
注：同じ水分量なら、温度が上がれば、最大量が増えるので湿度が下がる(暖房による乾燥)。
注：よって、含水率と、湿度は、全く違う概念なので、数値に直接の関連はない。
＊自由水と結合水と繊維飽和点：木材は、水が自由に移動できる筒状の組織の集合体で、その筒内の水が自由水、筒状の繊維を構成する細胞壁に存在する水が結合水、乾燥で自由水がなくなり、結合水が減り始めた時点が繊維飽和点。
注：自由水は、すぐ乾燥し、結合水は、なかなか乾燥しません。よって、乾燥させた時、先に、自由水がなくなり、その後、結合水がなくなります。
注：よって、乾燥は、繊維飽和点までは比較的短時間で、それ以降平衡含水率までは長時間になります。
注：繊維飽和点は、含水率30%前後です。
注：木材の収縮は、結合水が減ることで起こります(繊維飽和点以下)(参考：切り口の割れ目)。
乾燥：その1：薪の温度を上げることで、水蒸気の発散量を増やす(日光に当てる)
乾燥：その2：薪の周囲の水蒸気を減らすことで、吸湿と発散の、発散を優位にする(風通しを良くする)
＊広葉樹の生木の含水率は、70%くらいで、薪に適する含水率は20%くらいと言われています。
注：つまり、70%から30%(繊維飽和点)までは、自由水が比較的短期間で乾燥します。
注：つまり、30%から20%までは、結合水が比較的長時間で乾燥します。
さて、ウバメガシの水没実験で、未乾燥薪と乾燥薪のどちらが水に浮きやすいのか、沈みやすいのかを考えると、水没は、水より比重が重いかどうかなので、木材内に水があるかどうかは、基本的に関係ないです。
だから、未乾燥薪と乾燥薪では、結果は変わらないはずですが、別の要素があります。
その１：内部の水分がなくなった後に、空気が入り、重量が減少するので、比重は減少する。
その２：内部の水分がなくなるときに、木材が収縮し、体積が減少するので、比重は増加する。
経験上、水分の減少分、木材が収縮しているような気がしないので、その1の方が影響しそうです。
(ただし、重い木になればなるほど、隙間が小さくなるので、相対的に収縮の影響が大きくなります)
よって、乾燥薪の方が比重が軽く、浮きやすいんじゃないだろうかと思うという、直感的な判断と同じ結論になりました(笑)
おしまい
